〈突然のトラブル応急手当〉B−01 打撲の手当

転んでどこかを打ってしまったときに共通するのは、「打撲を甘く見てはダメ!」ということです。
特に、頭・胸・腹を打ったときは、一見、元気そうに見えても非常に危険です。
顔色が青い、寒気、冷や汗、おう吐、脈の乱れ、生あくび などのショック症状が見られたら、「命にかかわるかもしれない」と考え、できるだけ早く病院に運ぶか、救急車を呼びましょう。

■ココを打ったら、この応急手当!

【画像】頭・背中・胸・腹・手足

 

 

 

 

 

 

①:頭

吐き気、意識がない、呼吸困難になることもあるので、軽いと思っても、できるだけ動かさず病院へ運びます。
特に、目・耳・鼻・口からひとすじでも出血したときは重症です。

②:胸

しゃべらせないようにします。寝かせないで、ふとんや壁にもたれさせるかイスに座らせ、上半身を高く保ちます。
はげしい痛みや咳、呼吸困難が見られたら、肺や肋骨を損傷したおそれがあるので、一刻も早く医師にみせましょう。

③:背中

痛みがはげしく、手足や下半身にマヒが見られたら脊椎(せきつい)が折れているおそれがあるので、移動には細心の注意を払いましょう。

④:腹

枕をしないで水平に寝かせます。
吐く場合は身体を横向きにします。
飲み物は絶対に与えてはいけません。

⑤:手足

患部を冷やします。
皮ふが青くなったときは皮下出血を起こしています。
痛みがはげしい場合は骨折かも? と考えて、できるだけ動かさず医師にみせましょう。

※やっちゃダメ! 「水を飲ませたら落ち着く?

転倒すると、本人もそばにいた人も気が動転してしまうもの。
水やお茶を飲ませて気を落ち着かせようとしがちですが、たとえ本人がほしがっても、頭・胸・腹を打った人に飲み物を与えてはいけません。

日射病やひどい下痢の場合は、水分をとらせる必要がありますが、必ず医師の指示をあおぎます。